ジリリリ・・・
ああ、もう、朝か・・ちょっと前に寝たばかりなのに・・・
枕元の目覚ましを止める。
太陽が恨めしい・・・なんてことを思っても仕方がないか。
さて、起きるか・・・
まだ開ききらない眼を腕でこすりながら俺は起き上がる。
今日は、中間試験最終日の朝だ。本当なら、気持ちよく迎えられる朝なのに、
中間試験直前に母さんがとんでもないことを言い出したんだ。
『今度の試験で成績が下がったら、お小遣い半分だからね』と。
もちろん反論はしたが、立て板に水、問答無用だった。
まあ、今更愚痴ってても仕方がないし、顔でも洗うか・・・
「ちゃんと、起きた様ね。おはよう」
洗面所の鏡に母さんが映る。後ろを振り向くと
「約束、覚えてるわね」
と言ってにっこり笑んでいる。
くそっ、今日のは得意な科目なんだ。昨日までの負けを取り返してみせるさと
心の中でぐっとこぶしを握り締める。
俺は日高孝司。高校１年生。
勉強より遊び方が好きな普通の男の子だ。で、成績のほうは・・・聞かないでくれ。
今までの話で大体、わかってくれただろう？
悪友の２，３人はいるが特に目立つ存在ではない・・と自分では思ってる。
なんとなく、今まで生きてきたってのが本当だろう。
そんな平凡な俺にあんなことが起こるとは想像もしていなかった。
プロローグ 終了
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